2025.10.7【キンドル本】をチェックしよう!

「人間関係で、もう悩まない。職場にいるヒステリックおばさんに負けない本」
ハートコンパス管理人:野村沢明美が執筆

メンタルで勝っていく!

オーストラリアが16歳未満のSNS利用を禁止|心と体へどんな影響があるのか?

オーストラリアでは、2025年12月10日から 16歳未満のSNS利用を禁止する法律 が始まりました。「えっ、本当に?」「そこまでしないといけないの?」と、思わず驚いた方も多いかもしれません。

でも、少しだけ目を向けてみると、SNSは私たちの心や体に、気づかないうちに大きな影響を与えることがあります。

子どもはもちろん、大人もまた

「やめたいのにやめられない」「なんとなく疲れる」

そんな感覚を覚えたことがあるのではないでしょうか。
それにはちゃんと理由があります。

この記事では、

・なぜオーストラリアがSNSを禁止したのか
・SNSは心と体にどんな影響を与えるのか
・子どもたちをどう守ればいいのか
・そして、私たち大人もSNSとどう付き合えばいいのか

これらを、なるべく分かりやすく、やさしくお伝えします。

もし今、「最近SNSがしんどいな…」
「子どもにスマホを持たせるのが不安」
そんな思いが少しでもあるなら、この記事が役立てますように。

そして、読み終えたあとには、あなた自身の心の中にある“今の気持ち”を、そっと整理するきっかけにもなれば嬉しいです。

※読んでいて「そうかも…」と感じることがあれば、
ハートコンパスの小さなコラム「今日の気づきメモ」もあわせてどうぞ。
当サイトのリピーター読者に向けて、新たに作ったカテゴリーです。
いつもハートコンパスを愛読して頂き、感謝です。
疲れた心に少しでも、寄り添えることが合えれば幸いです。

スポンサーリンク

オーストラリアがSNSを禁止したきっかけとは?

オーストラリアが「16歳未満のSNS利用を禁止する」という、世界でも前例のない決断をした理由は、とてもシンプルです。

子どもたちを守るため。

これに尽きます。

ただ、「守る」といっても、いろいろな意味があります。その中でも特に大きかったのが、次の3つです。

① SNSを通じた「いじめ」が急増していたから

SNSでは、顔を合わせない分、言葉が強くなったり、勢いだけで人を傷つける投稿が増えたりします。

とくに子どもや思春期の子は、相手の気持ちを想像する力が発達途中なので、何気ない一言や噂話でも、深く傷ついてしまうことがあります。

オーストラリアでは、「SNSいじめが学校の問題ではなく、社会全体の問題になっている」という声が増え続けていました。

② 不安や落ち込みが増えるという研究が多かったから

世界の研究で共通して出ているのが、SNSの長時間利用と、不安・落ち込み(抑うつ)の増加には関係があるという結果です。

・他人と比べてしまう
・“いいね”に気持ちが振り回される
・誰かの楽しそうな投稿を見て、自分だけ取り残された気持ちになる

こうした気持ちになると、大人でも辛いと感じる人もいるようです。まして、「自分とは何か」を作っている途中の子どもたちにとっては、負担が大きすぎるのかもしれません。

③ 子どもの脳は“刺激に弱い”から

スマホやSNSは、大人でも時間を奪われてしまうほど「刺激が強い」ツールです。

そして、子どもや思春期の脳はまだ発達の途中なので、こうした刺激にとても影響を受けやすいのです。

例えば…

・気づくと1時間見てしまう
・やめたくてもやめられない
・SNSから離れたとき、逆に落ち着かない

子供にはこうした反応が起きやすく、“依存”に近い状態になりやすいのです。

オーストラリア政府は、こうしたリスクを考え、「まずは16歳になるまでは距離を置こう」という判断に至りました。

「禁止」という強い決断には賛否両論がありますが、背景にあるのは、子どもたちの心と未来を守りたいという、ごくまっとうな理由なのです。

SNSが「心」にどんな影響を与えるのか?

オーストラリアの決断は“子どものため”ですが、その背景にある SNSの影響 は、大人である私たちにもそのまま当てはまります。

SNSは、楽しい反面、心が疲れやすくなる理由がいくつもあったんです。

① 比べる気持ちがどんどん強くなる

SNSを見ると、どうしても他人と自分を比べてしまいます。

・楽しそうな投稿
・幸せそうな家族
・キラキラした生活
・成功している人

こうしたものを見るたびに、心のどこかで「自分はどうだろう?」と考えてしまうのです。

これは、子どもだけでなく、大人も同じ。むしろ、大人のほうが“理想の自分像”がしっかりしている分、落ち込みやすいこともあります。

気になったらこんな記事もおすすめ
>>簡単にできる自己肯定感の上げ方を知ろう!大人向けの実践方法を5つ紹介

② 承認欲求が刺激され続ける

SNSは、“承認欲求”を刺激する設計になっています。専門的に聞こえますが、すごく簡単にいうと、

「誰かに認められたい」
「いいねされたい」

注目されたい
という気持ちが動き続ける状態。

ここが疲れるポイントなのです。

投稿したら反応が気になる。
通知が来ないとソワソワする。
誰かの反応が冷たいと落ち込む。

これらは、SNSが“人の心の弱い部分”を刺激してしまう仕組みでもあります。自分が何かしたことに対して、『反応』を気にする・待っていることが、無意識に『誰かに期待している状態』を作っているのです。

③ ネガティブな情報の影響を受けやすい

SNSでは、前向きな投稿だけでなく、ときどき悲しいニュースや誰かの怒りの投稿も流れてきます。

脳は、楽しい情報よりも「危険」「不安」を優先して受け取る性質があるため、ネガティブな投稿を見続けると、気づかぬうちに心まで暗くなってしまうのです。

これは小さな子どもほど影響を受けやすく、「怖い」「嫌だ」という気持ちが残りやすくなります。

そして、発信者も気持ちを揺さぶる投稿の方が閲覧されることを知っています。なので、「危険」や「不安」を煽る投稿が多く目につくのもそういった理由があります。

こんな記事もおすすめかも
>>SNSで人の心理はどう働いているのか?効果的な発信と炎上予防のコツ

④ 気づかないうちに“依存状態”に近づく

SNSは、短い動画や刺激的な情報が多いため、つい次々と見てしまいます。

「少しのつもりが、気づいたら1時間…」

この現象、あなたにも心当たりがありませんか?

これはあなたの意思が弱いのではなく、SNSの仕組みがそう作られているのです。

そして、子どもはこの刺激にとても弱いため、やめたくてもやめられない状態に陥りやすくなります。

SNSは便利で楽しいものです。でも、使い方によっては心が疲れたり、自信をなくしたりしてしまいます。

だからこそ、オーストラリアは「距離を置く」という方法を選びました。これは、デジタルが悪いという話ではなく、心の安全を守るための“環境づくり” なんですよね。

スマホは心だけじゃなく“体”にも負担をかけている

SNSの問題というと「心の疲れ」に目が向きがちですが、実は、スマートフォンは 体にも大きなストレス を与えています。

とくに子どもは大人より体が未発達なぶん、その影響を強く受けやすいのです。

① 目に大きな負担がかかる(大人より子どもが弱い)

単純にスマホを見ていると、まばたきの回数が減り、目が乾きやすくなります。

さらに、近い距離で画面を見ることで目のピントを合わせる筋肉がずっと緊張したままになります。

これは大人でも疲れますが……

子どもの目はまだ発達途中のため、負担が倍増。

・視力が落ちやすい
・疲れ目になりやすい
・頭痛につながる
などの影響が出やすくなります。

「あ!」という間に、視力が悪くなります。最近では、スマホの普及と同時に、小学生の視力低下が急増していると言われています。

一昔前のテレビが主流だった時代、『離れて見なさい』と親に言われたものですが、今は赤ちゃんを泣き止ますのに、スマホを使う時代です。

やはり、便利なのですが、赤ちゃんの頃からスマホを見てきた子供たちは、気づかないうちに小さなストレスを目にためてしまうことがあります。便利さの中に潜む負担に目を向けて、できるだけ心と体にやさしい環境を作ってあげたいですね。

② 長時間同じ姿勢で脳まで疲れてしまう

スマホを見るとき、首が前に出て背中が丸まりやすくなります。

いわゆる「スマホ首」ですね。

この姿勢が続くと、

・首や肩のこり
・頭痛
・集中力の低下
・イライラ感

などが起きやすくなります。

実は「肩こり」や「首の痛み」は、そのまま 脳の疲れ にも直結します。

体がこる → 脳が疲れる → 心が元気をなくす

という流れが、大人にも子どもにも起こります。

③ ブルーライトで睡眠の質が下がる

スマホの光(ブルーライト)は、眠りのスイッチを入れる“メラトニン”というホルモンの働きを弱めてしまいます。

・寝つきが悪い
・眠りが浅い
・朝がつらい

これは子どもほど影響が強く出ます。

睡眠不足は、成長ホルモンの妨げにもなるため、体だけでなく 心の安定にも悪影響 を与えてしまうのです。

気になったらこんな記事もおすすめ
>>日中なのに眠い?瞼が重い時に試したい簡単な対処法を徹底解説!

④ 気づかないうちに“休み時間”が減っていく

スマホを触っていると、“ぼーっとする時間” がなくなります。

でも実は、何もしない時間は脳にとってとても大切。

・気持ちの整理
・創造力を育てる
・ストレスの解消

こうした働きは、ぼんやりしているときに行われます。

スマホを触り続けていると、その「脳の休息時間」が奪われてしまうのです。つまり、「自分で考える」ということがどんどん苦手になってしまうのです。

SNSが心を疲れさせるのと同じように、
スマホは体にもじわじわと負担をかけています。

こうした理由から、オーストラリアが「16歳未満はSNS禁止」という大きな決断をしたことも理解できますよね。

オーストラリアで「16歳未満SNS禁止」のおさらい

2025年12月10日から、オーストラリアでは 16歳より下の子どもはSNSを使えない という新しいルールが始まりました。

この法律には、子どもや親に対する罰はありません。けれど、SNSを運営する会社がこのルールを守らなかった場合は、かなり大きな「罰金(お金のペナルティ)」が科されるしくみになっています。国として「子どもを守るために、本気で取り組んでいる」という姿勢が見える内容です。

また、このルールには 国民の約7割以上が賛成 しています。「SNSが悪い」というより、『子どもたちの心や生活を守りたい』という思いが、社会全体で強くなってきているのだと思います。

スマホやSNSが生活の中で当たり前になった今、国としてどこまで守り、どこから任せるのか——そのバランスを整えようとしている段階なのかもしれません。

では、親や大人ができることは?

このように国が動いていると、「SNSは全部辞めよう」と言いたくなる気持ちもありますよね。

けれど実際には、SNSは今の子どもたちにとって 友だちとのつながり安心できる場所 にもなっています。

だからこそ、今私たち大人ができる事としては、“禁止する” ではなく “いっしょに使い方を考える”
という事がとても大切になるのではないかと考えています。

まずは「どう使っているのか?」を知ってみる

「何を見てるの?」「どんな友だちと話してるの?」「どのアプリをよく使ってるの?」

そんなふうに、まずは 子どもの世界に興味をもつことから始めてみるのはどうでしょうか。

いきなり注意されると子どもは心を閉じてしまいますが、“知ろうとしてくれる大人” には自然と話したくなるものです。

ルールを押しつけるのではなく、一緒に“ちょうどいい距離”を探す

「平日は短めにする?」
「寝る前の30分はスマホをお休みにする?」

など、子どもと相談しながら決めると、守りやすく、揉めにくくなります。

「守らせるためのルール決め」ではなく、“いっしょにつくるルール” に変えていくことがポイントです。

大人自身も“ほどほど”な関わり方を見せる

そもそも、大人がずっとスマホを見ていたら、子どもも真似してしまいます。

逆に、大人が

・時間を決めて使う
・疲れたら置く
・SNSにふり回されない

そうした姿を見せることで、子どもは自然と “いい使い方” を学んでいきます。

「親だから完璧にしなきゃ」ではなく、大人も子どもといっしょに学んでいくという、それくらいの気持ちでいいのだと思います。

【まとめ】SNSとどう向き合うかは、「禁止」よりも「対話」

頭ごなしに、スマホやSNSを「ダメ!」と取り上げるのではなく、“どうしたら安全に使えるかな?” と対話することで、子どもは安心して自分の気持ちや困りごとを話せるようになります。

そして私たち大人自身も、“長く見すぎない”“疲れたら置く”といった姿勢を見せることで、子どもにとっての「いいお手本」になるのではないでしょうか。

SNSは、使い方次第で心の負担にも、心の支えにもなる時代です。だからこそ、家族で話しながら、“ちょうど良い距離感” を見つけていきましょう。

今日のこの記事が、そのきっかけになれたら嬉しいです。

ハートコンパスの小さなコラム「今日の気づきメモ」もあわせてどうぞ。
当サイトのリピーター読者に向けて、新たに作ったカテゴリーです。
いつもハートコンパスを愛読して頂き、感謝です。
疲れた心に少しでも、寄り添えることが合えれば幸いです。

PAGE TOP